- このような吐き気・嘔吐はありませんか?
- 吐き気・嘔吐とは
- 吐き気・嘔吐の原因
- 吐き気・嘔吐の原因となる疾患
- 嘔吐・下痢があって熱がない(大人の場合)は何が原因?
- 吐き気・嘔吐の検査
- 吐き気・嘔吐の治療
- 吐き気があるときは吐いた方がいいですか?
- 嘔吐した時の対処法
このような吐き気・嘔吐は
ありませんか?
- 吐き気が1週間以上にわたって続く
- 急に吐き気を催して思わず吐いてしまった
- 吐き気が強く、日常生活にまで影響が出ている
- 吐き気が強く、食事や水分摂取がままならない
- 嘔吐後も吐き気が続く
- 吐き気に伴って、腹痛や下痢、発熱が起こる
- 吐き気に伴って頭痛やめまいが起こる
- いつも特定のタイミングで吐き気を催す
吐き気・嘔吐とは
吐き気とは、胸部に不快感を覚え、嘔吐しそうな状態を指します。この症状は、脳内の嘔吐反射中枢が刺激されることによって引き起こされます。例えば、消化器官の機能が乱れたり、有害な物質が胃に入ったりすると、反応として吐き気や嘔吐が現れます。日常生活で頻繁に見られる症状で、多くの方が悩んでいることでもあります。吐き気の原因は消化器系に限らず、脳神経や目、耳の異常など多岐にわたります。少しでも不安を感じている方は、お気軽に当院までご相談ください。
吐き気・嘔吐の原因
- ストレス
- 暴飲暴食
- 乗り物酔い
- お薬の副作用
- 食中毒(食あたり)
- 妊娠中のつわり
など
上記をはじめ、吐き気の原因は様々です。例えば、風邪が誘因となって吐き気を催すこともあります。なお、風邪が改善しても吐き気が続く場合、他の原因が考えられるため、検査を受けて原因を特定することが大切です。
吐き気・嘔吐の
原因となる疾患
吐き気の一因として、急性胃炎があります。急性胃炎は、吐き気や嘔吐に加えて、みぞおちの痛みや腹痛、さらには吐血や下血といった症状が現れることがあります。特に大量出血となった場合、ショックを引き起こす可能性もあるため、症状が現れた場合は、早急に医療機関での検査と治療を受けることが重要です。
消化器疾患
急性胃炎
急性胃炎は、胃痛やみぞおち周辺の不快感、膨満感、胸焼け、吐き気、さらには下血などの症状が現れます。
胃は普段、強酸性の胃酸を分泌しており、その酸から自らを守るために粘液によって保護されています、しかし、何らかのきっかけでこの防御機能が機能しなくなったり、過度なアルコール摂取や刺激物などが原因で限界を超えると、炎症が発生します。治療を受けずにいると、胃粘膜の修復力が低下し、胃酸の分泌量が減少して胃潰瘍に進行することもあります。胃カメラを行うことで、より詳細な診断が可能になります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、胃や十二指腸の粘膜にダメージが加わり、潰瘍が形成される疾患です。主な原因としてはピロリ菌感染や非ステロイド性鎮痛薬の使用が挙げられますが、ストレスも症状悪化に関係します。胃潰瘍の場合、食事中や食後にみぞおち付近に重い痛みが生じる一方、十二指腸潰瘍は空腹時や早朝にみぞおち付近にシクシクとした痛みが現れ、食事を摂ることで症状が和らぐ傾向があります。どちらも胃もたれ、吐き気、食欲不振を伴うことがあり、黒色便が出ることもあります。これらの症状がある場合、胃カメラを受けましょう。
胃がん
胃がんは、初期は自覚症状が乏しく、進行してから腹痛や吐き気などの症状が起こります。なお、近年の胃カメラ技術の進歩により、自覚症状が乏しい初期段階の胃がんも発見できるようになりました。早期に発見されれば、内視鏡治療によって完治が期待できるケースも多くなっています。胃がんはピロリ菌との関連が強いとされているため、ピロリ菌感染が確認された方(除菌後も含む)は、定期的に胃カメラを受けましょう。
虫垂炎
虫垂炎は、盲腸の先端に位置する虫垂に炎症が生じる状態で、俗に言う「盲腸」です。初めにみぞおちやおへその辺りに痛みが感じられ、その後、痛みが右下腹部に移動する特徴があります。また、痛みに加えて、吐き気・嘔吐、発熱が現れることもあります。そのままにしていると、腹膜炎といった深刻な症状を引き起こすリスクがあるため、早期の対応が必要です。特に、10代から30代の若年層に多く見られ、暴飲暴食やストレス、過労などが引き金となることがあります。
腸閉塞
腸閉塞は、腸に腫瘍ができたり、腸の機能が正常に働かなくなったり、腸が捻じれる(腸捻転)ことによって、腸が詰まり内容物が進まない状態を指します。このため、便やガスが溜まり、膨満感や腹痛、吐き気や嘔吐といった症状が起こります。
腹膜炎
腹膜炎は、胃や腸に穴が開いたり、腸閉塞で組織が壊死することで、内臓を覆う腹膜に細菌が感染して炎症が起こる疾患です。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がん、急性虫垂炎などが原因となることがあります。腹膜炎の主な症状には、吐き気や嘔吐、腹痛、呼吸困難、発熱などがあり、治療が遅れると命に落とす恐れもあるため、早期の対応が重要です。
その他の疾患
メニエール病
メニエール病は、原因がはっきりとは解明されていませんが、内耳にある内リンパ液の量が異常に増加することが主な原因とされています。これにより内耳が圧迫され、めまいの発作が発生します。発作時には、めまいに加えて、片耳の難聴や耳鳴りが現れ、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。放置すると、難聴や耳鳴りが悪化する可能性があるため、早期の対応が必要です。
くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍
くも膜下出血は、脳を覆うくも膜内の動脈が破れて、くも膜下腔に出血が発生する疾患です。突然の激しい頭痛に加え、吐き気や嘔吐が生じ、意識を失うこともあり、命に関わる危険な状態を引き起こすことがあります。
脳出血は、脳内の細い動脈が破れて出血する状態で、強い頭痛、吐き気、手足の麻痺などが起こります。
脳腫瘍も、頭痛や吐き気・嘔吐が発生し、腫瘍の位置によっては視力や言語に障害を起こすことがあります。
嘔吐・下痢があって熱がない
(大人の場合)は何が原因?
嘔吐や下痢がありながら、熱が出ない場合は、ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)や機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)などが原因として考えられます。
ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)
ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)は、ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルスによって引き起こされます。嘔吐や下痢は通常、短期間で治まりますが、脱水のリスクが高いため、こまめな水分補給が大切です。発熱は通常、38℃前後となり、深刻な高熱を伴うことは少ないです。また、感染しても症状が現れない「不顕性感染」が存在するため、気を付けましょう。ウイルスは、汚染されたカキなどを生で食べたり、加熱が不十分な状態で食べたりすることで感染します。
機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)
機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)は、胃粘膜に明らかな異常が見つからないにもかかわらず、症状が現れる疾患です。吐き気や嘔吐のほか、胃痛(キリキリとした痛み)、腹部膨満感、早期膨満感、食欲の低下など、様々な症状が現れます。
吐き気・嘔吐の検査
吐き気や嘔吐の原因は多岐にわたるため、まずは問診を行い、胃痛や胸痛など付随症状の有無、既往歴や現在服用しているお薬、食事内容などについてお聞きします。その後、問診の内容から胃カメラ検査などの適切な検査を行います。
吐き気・嘔吐の治療
胃カメラ検査などの検査結果に基づいて、原因に適した治療を行います。消化器疾患など対応できるものについては当院で治療を進めますが、その他の疾患が原因と考えられる場合は、提携先の専門機関にご案内します。
吐き気があるときは
吐いた方がいいですか?
吐き気を感じた場合、無理に吐いたり我慢したりする必要はありません。時には吐くことで楽になることもありますが、気分が悪い場合は無理をせず、リラックスすることが大切です。吐くのが苦手な方は、静かな環境で横になったり、リラックスできる音楽を聴いたりすることで気分が楽になることもあります。
嘔吐した時の対処法
嘔吐した際の対応方法としては、嘔吐物がのどに詰まらないよう、できるだけ上半身を起こすことが大切です。もしそれが難しい場合は、仰向けに寝るのではなく、顔を横向きにして横になりましょう。
口の中をすすぐ
嘔吐後は口の中が気持ち悪くなり、嘔吐物のにおいが吐き気を誘発することがあります。これを避けるため、口をすすいで不快感を取り除き、すっきりとさせましょう。
落ち着くまで安静に
吐き気が治まるまで、右側を下にして横たわり、締めつける衣類は緩めて体を楽にしましょう。リラックスできる姿勢で、無理なく安静に過ごすことが大切です。
落ち着いたら水分摂取
吐き気が治まったら水分を補給しましょう。嘔吐後は水分が不足しやすいため、無理なく飲めるようであれば、少しずつ水分を摂取します。スポーツドリンクなどは、体に優しくお勧めです。