CT検査とは
CT検査は、X線を用いて体内の詳細な画像を得る先進的な検査技術です。X線が体を通過し、その強度を検出器で測定し、得られたデータをコンピューターで解析することにより、体の内部を正確に映し出します。この検査は全身を撮影でき、特に脳、心臓、大動脈などの胸部領域や、胃、大腸、肝臓、膵臓などの腹部の病変を詳しく評価することに優れています。
CT検査の最大の特徴は、身体を輪切りにしたような画像を得られることで、ミリ単位の精度で異常を正確に把握できる点です。例えば、胸部レントゲン検査で異常が確認された場合、それががんであるのか、もしくは正常な血管や骨などの構造物が偶然異常に見えているだけなのかは判断が難しい場合があります。そうした場合、CT検査を行い、詳細な輪切り画像を取得することで、異常が実際の病変かどうかを正確に判断することができます。
CT検査で分かる病気
胸部の病気 | 胸部大動脈瘤、胸部大動脈解離、肺炎、肺結核、肺がん、気胸、リンパ節の腫れなど小さなものまで発見可能 |
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腹部の病気 | 腹部大動脈瘤、腹部大動脈解離、肝臓・胆のう・膵臓・腎臓のがん、盲腸(虫垂炎)、大腸憩室炎、など |
CT検査の費用の目安
3割負担 | 約4,500円 |
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2割負担 | 約3,000円 |
1割負担 | 約1,500円 |
※あくまで目安のため、検査する部位などによって費用は異なります。
CT検査の流れ
- 検査前に、着用している服や体に付いている金属類を外して頂きます。検査着の貸し出しも行っていますので、ご利用ください。
- スタッフが指示を出すので、CT検査機器の寝台に仰向けで横になってください。
- スタッフが位置合わせのために、初めに簡単な撮影を行います(5秒程度)。
- CT検査を実施します(10~20秒程度)。この間、画像の鮮明さを保つために、短時間ですが呼吸を止めて頂くことがあります。アナウンスに従ってください。
- 検査中に体調に不安を感じた場合、スタッフが近くにいますので、すぐにお知らせください。
- 検査後、着替えをして頂き終了となります。検査時間は、全体で5~10分ほどです。
CT検査の注意事項
CT検査ではX線を使用するため、撮影部位に金属があると画像が乱れる可能性があります。そのため、検査前にアクセサリーや金属製の装飾品を外し、検査着に着替えて頂きます。また、腹部の検査では事前に食事の制限が必要な場合がありますので、ご注意ください。
できるだけ以下のものを身につけずにお越しください。
- 金属類(ピアス、ネックレス、指輪、ヘアピンなど)
- 金属が含まれるブラジャー、金属製のベルト、ファスナーが付いた衣服(プラスチック製のファスナーであれば大丈夫です)
- カイロ、湿布、エレキバン
CT検査はX線を利用するため下記の方は検査が行えません。
- 妊娠中の方、または妊娠の可能性がある方(事前にご相談ください)
- 検査中に数秒間じっとした姿勢を保つことが困難な方
- 過去1週間以内にバリウムを使用した検査を受けた方(腸内に残ったバリウムがCT画像に影響を与える可能性があります)
検査結果
当院のCT検査では、撮影後の画像をまず循環器内科専門医及び外科専門医が詳しく解析し、診断の精度を高めるために慎重に確認します。
CT検査では観察目的の臓器以外にも様々な臓器が映し出されます。例えば肺炎を疑って胸部のCTを撮影した場合、肺の状態を詳細に観察できるだけでなく、心臓や大動脈、甲状腺、リンパ節、さらには一部の腹部臓器(肝臓、膵臓、脾臓、腎臓など)まで映し出されます。そのため、肺に異常がない場合でも、他の臓器に予期せぬ異常が発見されることがあります。
当院では、診断の正確性を向上させるためにダブルチェック体制を導入し、見落としを防いでいます。ただし緊急性が高いケースではダブルチェックを行う前に、撮影後すぐ結果をお伝えすることも可能です。