高血圧とは
血圧とは、血液が血管壁に対してかける圧力のことを指します。通常、体を動かしたり、寒さを感じたりするだけで血圧は一時的に上昇しますが、この変動は短期間で収まります。これに対し、高血圧は安静時でも血圧が常に正常値を超えた状態が続くことを意味します。
高血圧が続くと、血管に過剰な負担がかかり、血管内壁に傷がついたり硬化したりすることがあります。これにより、動脈硬化が進行し、さらには脳や心臓に深刻な影響を及ぼすリスクが高まります。高血圧が引き起こす可能性のある健康障害を防ぐためにも、血圧の管理は重要です。
高血圧の症状
高血圧は初期段階では自覚症状が乏しく、気づかないうちに進行します。血管を徐々に傷つけ、最終的には深刻な循環器疾患を引き起こすことから「サイレントキラー」とも呼ばれています。しかし、血圧が高い状態が長期間続くと、少しずつ体にサインが現れることがあります。例えば、朝起きたときに感じる頭痛が午前中で治まったり、息切れや動悸、耳鳴り、視界がぼやけたりちらついたりすることもあります。また、肩こりや強い疲労感を感じることもあります。
ただし、これらの症状は高血圧以外の疾患でも見られるため、血圧を定期的にチェックすることが重要です。健診で血圧を確認することに加え、自宅に血圧計を準備して、毎朝晩の定期的な測定を行い、その変化を注意深く確認することが重要です。
高血圧の原因
血圧を決める要因には、心臓から血液が送り出される力、血管の柔軟性、そして血液の粘性などが挙げられます。血圧を上昇させる要因としては、生活習慣、遺伝、内分泌の影響などが挙げられます。特に生活習慣からくる原因として、過剰な塩分摂取やカリウムの不足が食生活における重要な問題となっています。ナトリウムとカリウムは、互いに作用して体内の水分バランスを調整しているため、これらの不均衡が血圧に影響を与えます。
また、喫煙やアルコールの過剰摂取、疲労、ストレス、運動不足に伴う血管の柔軟性低下、肥満による血液の粘度上昇なども血圧を高める要因となります。
日本では現在、成人の約3人に1人が高血圧を患っていると言われており、これは深刻な問題となっています。
高血圧の診断
血圧の測定には、診察室で行う方法(診察室血圧)と家庭で行う方法(家庭血圧)の2種類があります。診察室での測定は、1日の中での血圧の変動を十分に反映できないことがあります。また、「白衣高血圧」という現象があり、病院で測定すると血圧が高くなる場合がありますが、この状態では治療は必要ありません。
そのため、最近では家庭血圧測定が注目されています。家庭血圧では、毎日の血圧の変動を追うことができ、基準となる数値は最高血圧が135mmHg、最低血圧が85mmHgです。
高血圧は、大きく分けて「本態性高血圧」と「二次性高血圧」の2種類があります。本態性高血圧は、特定の疾患が原因ではなく、生活習慣などが影響して発症します。一方、二次性高血圧は、睡眠時無呼吸症候群、腎臓の問題や副腎疾患、お薬の副作用などが原因となります。
血圧測定結果に基づき、必要に応じて追加の検査や治療を提案します。
高血圧の治療
高血圧の予防・治療のためには、まず肥満を解消し、節酒や禁煙を実践すること、軽い有酸素運動を習慣化すること、さらに塩分の摂取を抑えた食生活を心がけることが大切です。これらの健康習慣は、続けることが最も効果的ですので、自分に合ったペースで無理なく取り組み、継続できるよう工夫することが重要です。
生活習慣の改善だけでは効果が不十分な場合、薬物療法を行うことがあります。しかし、お薬を使う場合でも、生活習慣を改善する努力を続けることは欠かせません。生活習慣を見直すことは、高血圧の管理だけでなく、他の生活習慣病の予防にも繋がりますので、積極的に取り組むことが大切です。
高血圧と診断された方は
当院へ
当院には、所在地である浜松市のほか、近辺地域の磐田市、袋井市、愛知県湖西市、豊橋市に在住の方も高血圧の検査・治療のためにお越し頂いています。地域にお住いの方の健康に寄与できるよう、高血圧治療に取り組んでいますので、気になる症状がある方や高血圧と診断を受けた方は、一度当院までご相談ください。